フラット風防とは、どちらの面にも曲面のない時計用ガラスのことです。外面も内面も平面になっています。時計製造で最もシンプルな風防形状で、ドレスウォッチ、フィールドウォッチのほか、周囲と面一になる背の低い風防を本来のデザインに採用した一部のスポーツモデルに使われています。また、低グレードのレプリカでは、対象モデルの仕様に合ったドーム型やボックス型の風防が製造されていない場合、フラット風防が標準的な代用品として使われます。
レプリカ時計におけるフラット風防は、対象モデルがフラット形状を指定している場合には正しい仕様ですが、ドーム型やボックス型の代わりに使われている場合には妥協によるものです。そのモデルにとってフラット風防が仕様どおりなのかを理解することは、レプリカが正しいデザインに沿って作られているのか、製造時に簡略化されているのかを評価するうえで重要です。
実際の使われ方
- フラット風防はドーム型よりも製造しやすく、AR(反射防止)コーティングを施しやすいうえ、取り付けも容易です。こうした製造上の利点は、製造コストを低く抑える場合に魅力となります。そのため、より複雑な形状を指定したモデルでも代用品として使われます。
- 一部のドレスモデルやフィールドモデルなど、フラット風防が本来の仕様であるモデルでは、フラット形状は妥協ではありません。正確な仕様であり、曲面を加えれば仕様から外れることになります。フラット形状が正しいのか、代用なのかを決めるのは、対象モデルの仕様に忠実かどうかです。
- フラット風防は、ドーム型とは反射の見え方が異なります。斜めから光を当てると、フラット風防では表面全体が単一の平面として一様に反射します。ドーム型では曲面に沿った反射が生じ、見る角度を変えるとその表情が変わります。この違いはQC写真でも確認でき、フラット形状とドーム形状を明確に見分けられます。
- ARコーティングを最も均一に施せるのはフラット風防です。平らな表面により、全面でコーティングの厚さを均一にできます。これが、ARコーティング付きのフラット風防を採用するモデルが、同等のドーム型モデルよりもQC写真で色味が均一に見えやすい理由の一つです。
- 本来ドーム型風防を備えるべきレプリカを評価する際、フラット風防への置き換えは、側面寄りの角度から撮影したQC写真で判別できます。正しいドーム型風防を備えたモデルでは、風防の縁に目で確認できる曲線があるはずです。その角度で縁の輪郭が直線になっていれば、フラット風防に置き換えられていることを示します。
関連用語
サファイアクリスタル · 両面ドーム型風防 · ボックス型風防 · 反射防止コーティング · 風防の硬度 · ミネラルガラス風防
次に読むガイド
風防の種類、コーティング、レプリカ時計の風防品質の評価方法について、QC写真での確認ポイントも含めて詳しく知りたい方は、レプリカ時計の風防ガイドをご覧ください。